第1幕 蟇
陰陽師の安倍晴明と親友の源博雅は、牛車に乗って妖(あやかし)が出るという応天門に向かう。
途中、木犀の花から生まれた式神・薫を伴い、百鬼夜行の行き交うなか、
自らの顔を腕に抱えた首なし夫婦と遭遇する。
夫婦の話から、息子・多聞が蟇(ひきがえる)の祟りで死に、
その後、夫婦も応天門焼失の犯人と疑われて斬首の刑に処せられたことが判明する。
晴明と博雅は応天門で壺を掘り出し、中から蟇と多聞の遺骨を発見。
晴明は蟇を封じ、多聞の魂を解放することで事件を解決し、
これからはあやかしが出ることはないと告げる。
第2幕 鉄輪
他の女に心変わりをした夫(藤原為良)への恨みから、
丑の刻参りで夜中にひとり貴船神社に向かった徳子は、杜で人形に釘をさしている。
社の入り口に立っていた宮司が、徳子に声をかけ、
夢の中の龍神のお告げとして「汝の願いは聞き届けられた!」と伝える。
徳子は喜んで恨みの鬼となり、夫を呪い殺そうとする。
為良に頼まれた安倍晴明と源博雅は、身代わりの人形を使って徳子を迎える。
徳子は呪いが失敗したうえ、博雅に醜い姿を見られたことで恥じ入り、その場を去る。
博雅は彼女こそ昔出会い忘れられなかった姫だと気づき、晴明とともに後を追う。
二人は自害した徳子を見つけ、博雅は謝罪とともに笛を吹く。
徳子は博雅の腕の中で安らかに息を引き取り、
その顔は鬼ではなく姫の姿へと戻っている。